かごしま経営革新推進企業の第1号に認定いただくこととなり、鹿児島県庁で認定式を開いていただきました。
父の急逝により、東京から帰省して家業を継ぎ、今年で10年目です。
会社の規模が小さく、また、計画前の売上は平成初期の半分以下に落ち込んでおりましたので、計画値以上に伸ばしたと評価していただいたことに面映ゆさがあります。
しかしながら、それでも、夫婦ともに公務員で、経営についても、お菓子業界についても、右も左も分からない状態で、ひたすら勉強し、長時間労働を続けてきたことに、「頑張りましたね」と言っていただいたような気がして、やはりしみじみとした嬉しさと、それからこちらの方が大きいのですが、ひとまずの安堵感があります。
お客様、外部のパートナー様、折にふれて助けて下さった先輩経営者の方々、急激に変化する会社に付いてきてくれた社員、多くの方に感謝の気持ちでいっぱいです。
また、計画の作成、推進、達成に当たっては、鹿児島県庁さまの郷中塾事業(若手経営者塾)と食プロ事業(食品関連産業振興プロジェクト)で学ばせていただいたことが非常に大きく、ここで学ばせていただいた経営や営業に関する知識は弊社の宝となっています。
それから、身内の話しになりますが、「(4代目である私に)東京で学び、働くという経験をさせる」ために無理をして投資をし、また、事業が縮小し続ける中で(私とは違い、家族に対しても不安や愚痴をもらすこともなく常に明るく優しく振舞う人だったので)一人必死になって耐え、会社を無借金で引き渡してくれた父にもお礼を伝えたいと思います。
私が、何とか10年間、経営者としてやってこられたのは、母校での体験や自分とは違う個性や感性に触れることができたこと、また、前職で教えていただいたり、鍛えていただいたたことに支えられていると感じます。
後を継いだ際には、父に対して「どうしてもう少し早く手を打たなかったのか?」、「なぜ一切の設備投資も行ってこなかったのか?」と愚痴めいた思いを持ったこともありますが、郷中塾のディレクターに「バブル崩壊後の大変な事業環境の中で、何とか事業を守ってこられたことや、まがりなりにも無借金で会社を引き継ぎ、借入はするにしても息子が自分の意志で投資できるという環境を残されたことがどれだけ大変なことであると思うのか?恵まれていると思うのか?」と強い口調でたしなめられたことを覚えています。
私も10年程ですが経営者を経験し、そのことが良く分かりますし、その時の考え方に恥ずかしさを覚えます。
本当に有難いことだと思うのですが、多くの方の気持ちや運にも恵まれ、なんとか10年で事業を回復させることができました。
当初60才を超えていた社員の平均年齢は30才前半となり、ここ数年は新卒の社員も入社してくれるようになりましたので大きな責任を感じています。
新たな経営革新計画の承認もいただいておりますので、ビジョン・ミッションに忠実に、我が社らしく堅実に、社員一丸となって一歩一歩、歩を進めて参りたいと思います。
お客様方、いつも弊社を応援して下さる皆さま、本当にありがとうございます。
(ご参考)
【経営革新計画】
経営革新計画は、中小企業が「新事業活動」に取り組み、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書です。 計画策定を通して現状の課題や目標が明確になるなどの効果が期待できるほか、国や都道府県に計画が承認されると様々な支援策の対象となります。
【かごしま経営革新推進企業】
経営革新に取り組む中小企業が、2回目以降の承認を受ける際に、売上高、経常利益又は雇用数等を大幅に伸ばすなど、前回計画を達成している場合、「かごしま経営革新推進企業」として認定し、当該企業にインセンティブを付与することにより、地域社会・経済を活性化させる中心的企業を創出していくことを目的とする制度です。
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